本当は気づいているのに、見て見ぬふりしていたこと。

こんにちは。ライフコーチ 大坂和美です。

私は、月に1回、ひとりで書店や図書館に出掛け、その月に読みたい本(主に小説)を選んで週末に1冊ずつ読む、ということを、ここ1年くらいですかね、趣味にしています。

先日も、天気の良い日に自転車に乗って、9月に読みたい本をいくつか買ってきました。

実は、その中のひとつは、とあるレシピ本。

『へたおやつ~小麦粉を使わない白崎茶会のはじめてレシピ~』

食物アレルギーのある我が子達と一緒に作ったり食べたりできたら嬉しいし、あまりお菓子作りが上手ではない私にぴったりじゃん!(笑)と思って選んだ一冊です。

さっそく週末には、小4の長女と一緒に、このレシピ本に載っていた米粉のショートブレッドを作ってみました。

砂糖も多いので毎日食べることは避けたいけれど、みんなで同じスイーツを

「美味しいねー」

と言いながら食べる喜びは、食物アレルギーのある我が家だけに格別。

そして、これらの営みは、私が、子どもが生まれたらやりたいと思っていたことのひとつで、それを10年経って、ようやく叶えた瞬間でもありました。

 本当は気づいていたこと。

我が家の長女と息子には、0歳の頃から食物アレルギーがあります。

肌が弱く、呼吸器や胃腸も強くなく、私は、子ども達の腸内環境を整えるために、なるべく砂糖を使わない暮らしをしてきました。

お誕生日ケーキも、豆腐クリームに、甘さはメープルシロップで。

料理も砂糖は控えめで、素材の甘さを活かす。

実際に美味しいし、今でも大切にしている考え方だから、これからも基本は、からだにやさしい食を目指していこうと思っているのだけど

本当は気づいていたんです。

小学生になった子ども達が、テレビのグルメ番組か何かで、スイーツが紹介されるたびに

「食べてみたいな」
「美味しそうだな」

そんな目で見ていたことを。

でも、これまでの私は、それを見て見ぬふりしたり、気づかないふりをして、時には、番組を変えてまでして、なかったことにしていた。

なぜなら、食べたい!と言われても、食べれないものは食べられないし、そんな事実に直面しながら

「なんで自分はアレルギーなの?」

と迫られたらと思うと、想像しただけで悲しい気持ちになるから。

そんな事実が起こるのかはわからないけれど。

だけれども

「本当の気持ちを聞くのが怖いから、言わせない」

…そういう関わりってどうなんだろう?変えたい!

そんな思いが勝るようになって、ある日、子ども達に聞いてみたのです。

「美味しそうだよね。ああいうの、食べてみたい?」

すると子ども達は、堰を切ったように

「僕は、牛乳が飲めるようになったら、プリンが食べたい!」

「私は、小麦が食べられるようになったら、ピザが食べたい!」

と、目を輝かせながら話し始めて、もうとまらない…(笑)

話は広がりに広がって、それはもう大騒ぎでしたけれど、『本音』を聞けたように感じた、とても嬉しい出来事でした。

そして

「彼らの願いを叶える日があっても良いんじゃないかな」

と思うようになり、そんなわけで、このレシピ本を手に取り、市販のスイーツのように、甘くて美味しいおやつを作ってみた、というわけです。

ここまで来るのに、10年(笑)

 10年経った先にあるもの

『本当は気づいているのに、見て見ぬふりしていたこと』

そこに向き合って、何にどう取り組むのか。

そこには自分なりの基準があって、私の場合、

「いえーい!これからは、甘くて美味しいおやつも作りまくるよー!」

とまではならないのだけど

違う選択肢もあるよね、と思えることは、食の喜びの可能性を広げてくれたと思うし、

何より、子ども達の本音がきけたことは、私にとって、家族との関係性をより良くしていくための、とても、とても嬉しいプロセスでした。

そこに踏み出した自分にも花まる!です。

ABOUTこの記事をかいた人

大坂和美

自分の未来が描けないあなたのライフコーチ。国際コーチ連盟アソシエイト認定コーチ(ACC)。ライフコーチワールド認定コーチ。重度食物アレルギーを持つ我が子の子育てに専念するためキャリアを断念し専業主婦となった経験から、育児等を理由にキャリア継続を断念し子ども優先で生きてきた女性が、子どもも自分も大事にしながら自分らしい生き方を実現することを、コーチングを通して支援している。